内視鏡室

設備

NBIシステムおよび拡大内視鏡

当院では、診断能力の向上を目的にNBI(Narrow Band Imaging -狭帯域光観察-)システムおよび拡大内視鏡(OLYMPUS GIF-XZ1200およびCF-HQ290ZI)を導入しています。NBIシステムは、通常の観察では発見が困難な病変を見つけることが可能であり、病変の広がりを診断する際に優れた効果を発揮します。
また、拡大内視鏡とは、通常倍率(5倍程度)から85~100倍までの拡大観察ができる内視鏡のことで、これを用いることにより、より詳細な表面構造の観察が可能となり、より正確な診断が可能となります。

当院にて診断された早期食道癌の一例 当院にて診断された早期大腸癌の一例

長期にわたり喫煙や多量の飲酒を続けることは、食道や咽頭、喉頭癌の危険因子であることが知られています。
これらの部位に発生する癌を早期に発見することは、従来の内視鏡検査では比較的困難であるとされてきましたが、NBIシステム・拡大内視鏡の導入により診断精度の飛躍的向上が報告されています。
これらの内視鏡機器を用いることにより、早期癌の発見・診断がより正確に行うことが可能です。

経鼻内視鏡・細径経口内視鏡

従来、上部消化管に対し経口内視鏡検査が行われていましたが、内視鏡挿入時に多くの患者さんで咽頭反射を起こします。このため、内視鏡検査は”つらい”、”苦しい”というイメージが定着しています。
当院では検査時の苦痛を軽減させることを目的に、経鼻内視鏡を導入しています。経鼻的に挿入すれば、咽頭反射はほとんど起こらず、苦痛が少なく会話の出来る負担の少ない内視鏡検査が可能です。
最新の経鼻内視鏡(GIF1200N先端部外径5.4mm)を導入し、従来の経鼻内視鏡の課題であった操作性の悪さ・解像度の低さといった問題点を解決しております。
また、経口内視鏡検査においても細径内視鏡(GIF-H290先端部外径8.9mm)を導入し負担の少ない内視鏡検査を行っております。
さらに、苦痛・不安軽減のため鎮静下での内視鏡検査も積極的に取り入れております。

二酸化炭素送気装置(OLYMPUS UCR)の導入

通常、内視鏡検査を施行する時には、空気を送気して消化管を拡げる必要があります。しかし、一度送気すると検査後に吸引しても深部に送られた空気は、完全には吸引できません。管腔に残った空気のために次第に腹部が膨満し、腹痛が生じます。また極端な場合には、血圧の低下や除脈をおこす事があります。
これは、長時間に及ぶ検査や治療では、顕著に見られます。
当院ではこれらを防ぐために二酸化炭素送気装置を2012年度より導入しました。二酸化炭素は空気と比べて消化管からの吸収が非常に早く、送気を中止すると消化管の張りは、速やかに改善し、患者さんの術後の腹満感の改善が期待できます。

内視鏡洗浄システム

内視鏡器具の洗浄・消毒は、日本消化器内視鏡学会の「洗浄・消毒ガイドライン」に沿った内視鏡機器の取り扱いを行っております。当院では内視鏡洗浄システム(OER-5)を導入し、一検査ごとに確実な消毒を行っておりますので安心して検査を受けていただけます。
また、患者さんにどの内視鏡を使用し、どのような洗浄器で洗浄・消毒を行ったかなどの履歴管理を行い、一層の安全に配慮しております。

内視鏡用二酸化炭素送気装置(UCR)
内視鏡用二酸化炭素送気装置(UCR)
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内視鏡洗浄システム(OER-5)