消化器外科

腹腔鏡補助下肝臓切除術について

肝臓の腫瘍には悪性腫瘍として、肝臓の細胞からできる原発性肝がん(肝細胞がんや胆管細胞がん)や、胃や大腸等の他の臓器にできたがんが血液の流れにのって肝臓に転移する転移性肝がん、良性腫瘍として血管腫、腺腫といったものがあります。この中で腹腔鏡補助下肝切除術の適応となるのは良性腫瘍と肝細胞がんおよび一部の転移性肝がんです。

肝臓の腹腔鏡手術は肝臓手術の難しさの為に、普及が遅れていましたが、昨今、保険適応で行える事となりました。腹腔鏡手術は、傷が小さく、入院期間が短いといった利点があります。腹腔鏡手術をご希望の場合には、腹腔鏡で手術可能かどうかとともに、腹腔鏡で手術をしてもがんの治療として十分かどうかに重点を置いて治療方針を検討させて頂きます。具体的には、腹腔鏡(補助)下肝切除の適応を、おなかの中にこれまでの手術の癒着が少ないと考えられ、腫瘍がひとつで大きさ4~6cm以内、肝臓の表面に存在する場合としています。肝部分切除はがんの部位だけを取り除く手術で、肝臓(クイノー分類でいう4番、5番、6番あたりの区域)の表面にあって、4cm以下のがんがよい適応となります。外側区域切除とは、肝臓の左葉と呼ばれる区域の外側に当たる場所、クイノー分類でいう2番、3番を切除します。

実際の外側区域腫瘍の部分切除
実際の外側区域腫瘍の部分切除
後区域の部分切除のイメージ
後区域の部分切除のイメージ