リンパ浮腫外来

リンパ浮腫について

複合的理学療法(リンパ浮腫保存的療法)

医師による診察から始まり、基本の4つの治療法である

  • 「スキンケア」
  • 「医療徒手リンパドレナージ療法」
  • 「圧迫療法」
  • 「排液を促す運動療法(圧迫下)」

を組み合わせてすすめてまいります。

また、ご自宅でのセルフケアや自己管理の指導とともに、継続的なサポートをさせていただいています。

リンパ浮腫外来では国際リンパ学会で標準治療と認められている『複合的理学療法』に基づきリンパ浮腫の治療とセルフケア指導にあたっています。

また、患者さまひとりひとりの症状に応じた「治療プログラム」を構成し、「安全で効果的な治療」をすすめてまいります。

おもな効果

    • 患部にうっ滞しているリンパ液の流れを改善させます。
    • うっ滞が原因で硬くなった皮膚の状態を改善させます。
    • 炎症回数の減少および早期改善。
    • ご自宅でのセルフケア習得により、安心して生活が送れるようになります。

1.スキンケア

「スキンケア」とは、清潔と保湿を心がけ、感染症を起こさないようにして、 皮膚を良い状態に保つことです。リンパ液がうっ滞することにより、免疫力が低下しやすくなります。皮膚の乾燥や傷がありますと、そこから細菌が入り炎症や蜂窩織炎(ほうかしきえん)を起こしやすくなります。日頃から皮膚の状態を把握し、良い状態を保つことを心掛けましょう。

2.医療徒手リンパドレナージ

「医療徒手リンパドレナージ」とは、複合的理学療法において行うマッサージ療法のことです。患肢にうっ滞しているリンパ液を柔らかいマッサージによって適切な方向(健康な皮膚やリンパ管など)に流していきます。これによって浮腫が軽減し、リンパ液のうっ滞が原因で硬くなった皮膚の状態を改善させます。

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*医療徒手リンパドレナージの禁忌症について

以下の疾患、症状がみられるときにはマッサージの施術は禁忌(治療が行えない)となります。急性炎症の場合には、症状が消失したら治療を再開できます。

原則的な禁忌
    • 急性炎症(蜂窩織炎(ほうかしきえん)など)
    • 心性浮腫、心不全
    • 下肢の急性静脈疾患(深部静脈血栓症、静脈炎など)
相対的な禁忌
  • 悪性腫瘍による浮腫(相対禁忌)

これらの疾患以外にも、関連するような疾患がある場合には、医師に相談しましょう。 禁忌をしっかり把握することが治療の第一歩です。

3.圧迫療法

マッサージによって改善された浮腫症状を、良い状態に保つため「圧迫療法」を 行います。浮腫の状態によって、弾性包帯を巻いて圧迫をするバンデージ療法と、 適切な弾性着衣(ストッキングやスリーブなど)を着用する方法うまく組み合わせてすすめていきます。また、合わない弾性着衣の着用や無理な圧迫療法は、症状の悪化や炎症を起こす原因ともなるので、必ず医師やセラピストの指導を受けましょう

*圧迫療法の禁忌症について

以下の疾患、症状がみられるときには圧迫は禁忌(治療が行えない)となります。急性炎症の場合には、症状が消失したら治療を再開できます。

原則的な禁忌
  • 急性炎症(蜂窩織炎(ほうかしきえん)など)
  • 心性浮腫、心不全
  • 末梢の閉塞性動脈硬化症
相対的な禁忌
  • 高血圧、狭心症、不整脈、強皮症、関節リウマチ、ズディック症候群、真性糖尿病、感覚障害、乳幼児など

これらの疾患以外にも、関連するような疾患がある場合には、医師に相談しましょう。禁忌をしっかり把握することが治療の第一歩です。

4.排液を促す運動療法(圧迫下)について

リンパ浮腫外来受診際は、可能な限り弾性包帯や弾性着衣を着用した状態でお帰りいただきます。ご自宅までの移動時の歩行も「運動療法」となり、リンパ液の排液効果を促します。 また、趣味やスポーツなどを今後も続けることができるように、無理なくご自分の体と相談して工夫しながら進めていきましょう

*弾性着衣について

患者さまの状態に合ったものをセラピストとご相談いただき、計測・ご試着などしていただいたのちに決定いたします。 なお、2008年4月1日から診療報酬改定により、四肢のリンパ浮腫のための弾性着衣(弾性スリーブ・弾性ストッキング・弾性グローブ)に関わる療養費の支給対象となりました

*合併症(蜂窩織炎(ほうかしきえん))について
1.蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは

皮下組織の急性炎症のことをいいます。長期にわたり患肢にリンパ液などがうっ滞することにより、免疫力が低下し、小さな傷や水虫などによる細菌感染や過度な負担などを原因として、蜂窩織炎(ほうかしきえん)を合併しやすくなります。

2.排液を促す運動療法(圧迫下)について

かかり始めは、風邪の症状に似ています。

  • 悪寒:身体全体に寒気がする、全身がだるい、身体が震える
  • 発赤:患肢全体が赤くなる、または虫に刺されたような赤い発疹がみられる
  • 発熱:局所に継続的な熱感を感じる、38℃以上の高熱

このような炎症を頻繁に起こす場合には、お近くの医師の適切な処置を受けるとともに、日常生活を再度見直すことが必要です。また炎症時には、症状を悪化させてしまいますので、医療徒手リンパドレナージや圧迫療法、排液を促す運動療法(圧迫下)は、一時休止します。

3.処置
  1. 主治医に連絡し、適切な処置を受ける
  2. 熱感がある部分を冷却します
  3. 寒気がある場合には、毛布などで身体を温め、安静にします
日常生活で注意したいこと

実践できることから無理なく始めていくために、以下の内容を参考としてください。日頃から皮膚を傷つけないようにしましょう。

  1. 血圧測定、採血、注射はなるべく健康な側にて行いましょう。
    爪の手入れの際は深爪をしないよう気をつけましょう。
    虫刺されや、ペットによる掻き傷に注意しましょう。
  2. リンパ液の流れを妨げないように気をつけましょう。(指輪、時計、下着などで皮膚を締め付けないようにしましょう)
  3. 長時間の温泉浴、サウナ浴は避けましょう。
  4. 長時間同じ姿勢で仕事をする場合には、手や足を休める時間も作りましょう。
  5. 重いものはできるだけ小分けにして運びましょう。
  6. 栄養バランスの良い食事を心がけましょう。