マンスリー通信(ブログ)

ホスピスブログ2021

患者さんやご家族、お友達に、楽しく穏やかなひとときを過ごしていただきたい。
そんな願いを込め、ホスピス・緩和ケア病棟では四季折々の行事や日々の催しを大切にしています。
ラウンジでの「小さな音楽会」(毎週火曜日午後)や、お部屋に伺う「訪問演奏」(毎週金曜日午後)では患者さんのリクエストにもお応えしています。
アロマセラピー、アートセラピー、ドッグセラピー、お抹茶会なども随時開催しています。

大文字の麓から 〜ホスピス・緩和ケア病棟スタッフのマンスリー通信2021〜

クリスマスイベント(2021.12月)

今年もホスピス病棟では12月24日にクリスマスイベントを開催しました。
デイルームには大きなツリーが飾られ、サンタクロース、トナカイの衣装を着たドクター、髪飾りを付けた看護師が患者さんのお部屋を回り、ボランティアさんやスタッフの手作りプレゼントをお渡ししました。プレゼントの中には「太陽に祈りを捧げる光のモービル」ヒンメリという物があり、ボランティアさんのお一人が麦を苗から育て、ヒンメリ作りをされているということから、そのボランティアさんが中心となり、ボランティアスタッフで大小たくさんのヒンメリを作成していただきました。大きなヒンメリは他病棟にも飾り、小さなヒンメリは患者さんの各お部屋に飾り、おしゃれなクリスマスアイテムとなりました。またスタッフによるトーンチャイム、音楽療法士の高瀬先生のギター演奏に合わせ「きよしこの夜」を行いました。今年はコロナ禍による面会制限があり、家族に会えない時間も多くありましたが、この日はご家族の面会もあり、トナカイやサンタの帽子を患者さんやご家族にも付けて頂き、きよしこの夜を一緒に口ずさみ、記念写真を撮りました。「恥ずかしいわ」「あんたも一緒に」と嬉し、はずかし、賑やかに患者さんやご家族と共にクリスマスイベントを楽しむことができたひと時でした。

紅葉狩り(2021.11月)

11月26日、紅葉狩りイベントを開催しました。
当日は音楽療法の日でもあったので音楽療法士の高瀬先生も一緒に患者さんのお部屋を訪問しました。
毎年好評のお猿が温泉に入っている顔出しフレームで写真撮影。
患者さんもご家族も自然と笑いが溢れていました。
その後は、高瀬先生によるギター演奏のもと、患者さん・ご家族で“紅葉”を合唱。
スタッフはマラカスなど様々な楽器で参加しました。
皆さん「声がでぇへん」と言われながらも楽しそうに歌われ、コーラスをされていたというご家族の素敵な歌声を聴くこともできました。
とても秋を感じられたひとときでした。

ハロウィン(2021.10月)

季節も秋へと移り変わり赤や黄色へと山々が染まり過ごしやすい日々となってきました。
10月27日病棟ではハロウィンのイベントが行われ、悪魔の姿やカボチャのおばけ、魔女の帽子、猫耳など仮装したスタッフが一部屋ずつ訪室し写真撮影、お菓子のプレゼントを行いました。患者様にも仮装していただきスタッフと共にハロウィンの雰囲気を体験していただきました。
イベント後には「あの祭りは楽しかったなぁ」と喜ばれたイベントとなりました。

お月見(2021.9月)

日本では、春にはお花見、秋にはお月見を楽しんできました。今年は8年ぶりに名月が満月となった年です。ホスピス病棟でも9月14日に十五夜、お月見イベントを行いました。
スタッフの手作りウサギに、お月見に見立てたお菓子をのせ、各お部屋を訪室しました。
お部屋ではスタッフによるトーンチャイムの演奏をおこない、患者さんと楽しいひと時を一緒に過ごしました。満月は丸くとても温かい月明かりです。スタッフ一同、これからも患者さんやご家族とともに温かい時間を一緒に過ごしていきたいと思います。

五山の送り火(2021.8月)

8月16日、本年も点火を大幅に制限して、京都五山の送り火は開催されました。
病棟も先日より面会制限が更に厳しくなりましたが、同日に五山の送り火イベントを行いました。
スタッフ手作りの送り火うちわを携え、お部屋に伺いみんなで写真撮影。
患者さんやご家族と看護師が一緒に作った行灯もお一人お一人にプレゼントしました。
ボランティアさんが作ってくださった切り絵に灯りがともると、お部屋はとても穏やかで温かな空間になりました。
「わー今日送り火やったんかー」「これ(うちわ)ええなー」「(行灯)きれいなー」と皆さんの笑顔も見られ、とてもなごやかなホスピスの五山の送り火でした。

七夕(2021.7月)

7月7日七夕のイベントを行いました。
生憎の天気でしたが、スタッフは夏らしくハワイアンな格好で「七夕さま」をトーンチャイムとウクレレで演奏しました。リズムをとったり、涙する人もいたり、患者さんやご家族の笑顔がたくさん見られたひと時でした。雨続きの日々ですが、厚い雲の向こうの星に、短冊に結んだ皆さんの願いが届きますように!

父の日(2021.6月)

6月も面会禁止が継続されており、患者さん、ご家族には寂しい思いを抱いている方も多くいます。病棟ではご家族へオンライン面会で患者さんとご家族が会える機会を勧めてきました。20日以降緊急事態宣言も解除となるため面会再開となるかもしれないですね。
6月20日は父の日。6月18日にイベントを行いスタッフから向日葵の花をプレゼントさせていただきました。スタッフとの記念撮影時には向日葵のような笑顔がありました。
ご家族へもイベント時の写真をお渡し。向日葵の花が患者さん家族のかけはしとなることを祈って。

母の日(2021.5月)

5月9日は母の日でしたね。スタッフからピンクのカーネーションを1人ずつプレゼントさせてもらいました。
4月半ばより緊急事態宣言が発令され、ホスピスも面会が禁止になっています。ご家族の方へ患者さんの様子を伝えることも兼ねて、イベント時の写真とメッセージをお渡ししました。ご家族の方からは「いい笑顔が見られてよかったです。元気そうで安心しました。」と嬉しいお言葉を沢山いただきました。

ハッピーイースター ~春色のプレゼントと共に~(2021.4月)

先日ホスピスではイースターのイベントを行いました。
イースターとはイエス・キリストの復活と春の訪れを祝うお祭りでキリスト教ではクリスマスと並ぶ重要な行事です。
イースターのモチーフといえばカラフルな卵やウサギですが、それらは生命や復活、豊穣の象徴とされています。
今年もウサギに扮したスタッフが患者さんのお部屋を訪れ、写真撮影をしました。
ウサギの帽子に「可愛いなー」と笑顔がこぼれる患者さん。
面会に来られたご家族も一緒にウサギの帽子をかぶられ「こんな可愛い写真初めてやし家族がびっくりするかも!」とご自身のスマホでも撮影されていました。
更にスタッフ手作りのイースターウサギにスイスのチョコレートを入れ、イースター紙ナプキン、チャプレンからのイースターのお便りと共にプレゼント。
早速チョコレートを食べられた患者さんから「甘くておいしかったわー」とお言葉をいただきました。
チョコレートと紙ナプキンは、数年前にホスピスでお父様を看取られたスイス在住のご家族からの贈り物です。
皆様に支えられてホスピスは今年も素晴らしいイースターの一時を過ごすことができました。

ひな祭り(2021.3月)

♪”あかりをつけましょぼんぼりに、お花をあげましょ桃の花”
コロナ禍の中、昨年から試行錯誤でイベントを行ってまいりました。
本日は、朝から雨降りでしたが、ラウンジのお雛様の前で写真を撮り、患者さんの笑顔に癒されたひと時を与えられました。
「ここにいたら(病室)わからへんけど、もうお雛さんの季節なんやねぇ。」「うちの家も出してるかな?」など、言いながら楽しんでおられました。
ボランティアさんは直接的ではありませんが、折り紙でのお雛様を患者さんに、そして患者さんの写真を入れるフレームを手作りしてくださり、とても喜んでいただきました。
ナースの有志で手作りされたおやつ入れも、可愛さを添えてくれました。

鬼は外!福は内!(2021.2月)

節分は立春の前日、2月3日が定番ですね。しかし今年は2月2日となりました。1年間を二十四節気に当てはめて定期的な運用をしようとすると、1年に少しずつ誤差が出てきてずれが生じます。その調整の関係で今年は2月2日となったわけです!今後はしばらく4年間おきに2月2日が節分となるみたいですよ。
病棟では例年通り、2月3日に医師が鬼になりきり各病室へ周りました。患者さんは「鬼は外!福は内!」と力強く豆を巻く方もいれば、優しく豆を渡される方もいました。普段は見られない生き生きとした表情も見ることができました。最後にはお菓子と鬼形の箱をプレゼントさせていただきました。

あけましておめでとうございます(2021.1月)

『どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。次に咲く花がより大きく、美しいものとなるために…』

新しい年を迎えました。昨年は、本当に世界中がコロナの渦の中に飲み込まれた一年でした。その猛威はまだまだ衰えず、京都も1月に入ってすぐに緊急事態宣言が発令されました。思うように面会していただけなくなり、患者さん・ご家族、そして私たちスタッフも辛い気持ちを抱きながら過ごしています。しかし、ワクチンの情報などもあり、少しずつ希望の光も見えてきています。

上の言葉は渡辺和子先生の言葉です。ご存じの方も多いと思います。
今は、下へ下へ根を張る時期、今のこの時期をしっかりと考えながら、行動していくことで、新たなホスピスを形作れるのかなと思っています。
次に花が咲く時をみんなで一緒に楽しめる日を目標にスタッフ一同頑張っていきます!

1月はお屠蘇で、新年のご挨拶に周るのですが、今年はスタッフお手製の折り紙の丑と記念撮影をしました。
今年も患者さん・ご家族と一緒に大切な時間を過ごせますように・・・。